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再びサポート会員募集のお願い!


 サリクスではサポート会員を募集しております。要項はコチラからご覧いただくことが出来ます。

サリクスの目標

 そちらの方にも書きましたが、サリクスの当面の目標は、

J. S. バッハのモテット全曲演奏会と、全曲録音です!

 様々な演奏団体がバッハのモテットを録音しているのに何をいまさら、と思われるかもしれません。しかし、我々のようなコンセプトをもって演奏をおこなっている団体は他にはないと思われますので、我々がモテットを録音する意味はあると思います。

サリクスのアイデンティティ

「グレゴリオ聖歌の歌唱法を、古ネウマを元に紐解き、それをバッハの作品の演奏に生かす、徹底して声楽的なアプローチ」

 これがSalicus Kammerchorサリクス・カンマーコアの独自性です。詳しいことはこのブログの中でも、何度も書いてきていますので、ここでは割愛しますが、このアプローチでしか見えてこないバッハ像は確かに存在します。昨年のデビューコンサートではその一端が垣間見えたのではないかと思いますが、さらにこの方法論を徹底させ、磨きをかけていきたいのです。

 そのためには、コンスタントに練習を行い、演奏会を開くことが不可欠です。サリクスのメンバーも、年がら年中グレゴリオ聖歌に触れているわけではありません。普段は普通の声楽家として活動して、それぞれの生活を送っています。

サリクスの理想とする歌唱法は、まだまだ現代の声楽界では特殊です。いずれはこれが当たり前となってほしいと思っていますが(藝大の必修科目として「グレゴリオ聖歌実習Ⅰ」とかが開設されたりしたら素敵!)、現在の音楽大学の声楽科では、主にロマン派のオペラや歌曲を演奏できる歌い手を養成するというのが大きな目標となっているため、バロックやそれ以前の音楽を勉強できる機会は限られています。

 ですからサリクスのメンバーも、普段の生活の中でサリクスが理想とする歌唱法を身につける機会がないのです。サリクスのリハーサルでしか、この技術は身につけることが出来ないのです。

演奏会をやればやるほど貧乏になる?

 皆様にサポート会員をお願いしているのは、そういう理由からです。コンスタントに演奏会を行うためには資金が必要なのです。

 音楽を生業としていながら、演奏会を行うのに資金が必要というのは、実はおかしな話です。私たちは演奏の対価として収入を得ているはずなのですが、現代の日本では、演奏会を行えば行うほど、借金が増えていきます。つまり、私たちがやっている音楽のジャンルでは、ホールを満席にしても赤字、ということが良くあるのです。

 なによりも私が現状心苦しく思っているのは、演奏家に正当な対価を支払うことが出来ないという事です。演奏会1回あたり、演奏家の拘束時間は3時間のリハーサル×10回程度、それに本番当日の7時間ほどです。合計約37時間働いています。時給1000円だとしても、1人3万7千円必要です。

 サリクスのメンバーは、歌い手16人に通奏低音2・3人、それにスタッフも2人いますので、20人としても74万円かかる計算となります。何年もレッスンに通い、人によっては大学を何個も出て、身につけた能力の対価が時給1000円というのは切ない話です。ここに示した例は最低限の金額だと思ってください。

 それに対し、チケットの売り上げによって得られる収入は、200人で満席のホールで3500円のチケット代の場合、70万円です。既に4万円赤字な上、ホール代も楽器代も払えません(涙)。

海外と日本の演奏会の在り方の違い

 なぜ現代の日本では演奏会をやればやるほど貧乏になるのでしょうか?それは、日本と欧米諸国では、演奏団体に対する助成の在り方が違うからです。

 ヨーロッパでは助成の中心は国家主導による財政支援の割合が例えばフランス(4531億円)などは日本(1006億円)の約4倍あります(2006年)。日本の場合、この中から日本の伝統芸能と西洋音楽とが取り合っているため、西洋クラシック音楽への配分はさらに少なくなります。

 またアメリカ合衆国では、公的な助成は日本より少ない(982億円)ものの、民間による支援が定着しており、企業による助成へのハードルが日本ほど高くないということがあります。

 要するに欧米諸国ではチケット収入以外の収入が大きいという事です。これはオーケストラの例ですが、

日本では、事業収入55%、行政助成34%、民間助成7%

なのに対し、

フランスでは、事業収入19%、行政助成79%、民間助成2%

アメリカでは、事業収入38%、行政助成13%、民間助成39%

となっています。(大木裕子著『オーケストラの経営学』東洋経済新報社2008より)だからヨーロッパの演奏会はチケット代が安いのですね(500円くらいで街中で演奏会をやっています)。チケット収入に頼らなくても演奏団体を存続させる仕組みが出来ているのです。

 いかに日本で演奏団体を存続することが困難か、これを見ただけでもはっきりとお分かり頂けると思います。

現状を打破するために!

 日本では行政の助成もそれほど期待できませんし、民間助成も盛んでありません。かといってチケット代をいきなり2倍3倍にするのは現実的ではありません。こうした現状を打破するために、皆様のご協力が是非とも必要なのです!

 我々が目標とするサポート会員の人数は、ずばり50名様です!特典を差し引いても、50名の方にサポートいただければ、1年間の活動費と、2年後のモテット全曲録音に向けて積み立てを行うことが出来ます。

 私たちは、演奏家、指揮者を含めまだほとんどのメンバーが20代です。これからこのメンバーが成長し、素晴らしい演奏をする団体へと育っていく過程を共に歩んでくださいませんでしょうか?

 もちろんご支援くださった方々には、毎年素敵な会員特典もご用意しています。定期公演のチケットはもちろんのこと、その年に行った公演から非売品のハイライトCDをお送りします。また定期公演では会員専用のお席をご用意させていただきます。

 さらに、サリクスの主催する他のイベント、ワークショップ等へも、割引料金にてご参加いただけます。直近では10月22日のワークショップの参加費は一般料金から2000円の割引となっております(こちらのワークショップは定員に達したため申し込みを締め切らせていただきました)。

 サリクスの活動を継続していくためには、皆様のご協力が不可欠です!私たちの活動に共感してくださる皆様、また私たちの演奏が聴きたいと思ってくださる皆様、私たちと同じ夢を見ませんか?「活動の継続、そしてモテット全曲録音」という目標を達成するために力をお貸しください!

 2016−17年シーズンのお申込みは9月末日までです。皆様からのご連絡、心よりお待ちしております。お申込みは≪お名前(ふりがな)・口数・ご住所・電話番号・メールアドレス≫をご記入の上、以下の連絡先までお願い申し上げます。

サリクス・カンマーコア事務局:salicus.office@gmail.com

(櫻井元希)

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【次回公演】

Salicus Kammerchorの次回公演は『第3回定期演奏会』です。

4月22日(土)14:00開演

横浜市栄区民文化センター リリスホール

4月27日(木)19:15開演

台東区生涯活動センター ミレニアムホール

曲目

”Lobe, den Herrn alle Heiden” BWV 230

”Der Geist hilft unser Schwachheit auf” BWV 226

詳細はコチラ↓

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【最新動画配信!】

第2回定期演奏会より、Heinrich Schütz “Musikalische Exequien” op. 7 III. Canticum Simeonisを公開中です!

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