第14回 記譜法の歴史(その3)
記譜法が発展することで、書き記すことのできるようになったことと、逆に書き記すことができなくなったことがあり、この書き記すことのできなくなったことを知ることが演奏の手掛かりになるというお話を致しました。
今回は計量記譜から現代譜への変遷を見ていきます。(といっても現代の楽譜も計
第13回 記譜法の歴史(その2)
計量記譜法
計量記譜法は様々な発展の段階があるものの、大まかに言うと、単音ネウマである「ヴィルガ・プンクトゥム」、2音ネウマである「ペス・クリヴィス」から発展しました。
ヴィルガに対してプンクトゥムは短いので、四角譜で使われていた音符をそのまま使って、それぞれLonga(
第12回 記譜法の歴史(その1)
このブログで
第3回 ネウマとは
第4回 グレゴリオ聖歌からポリフォニーへ
第5回 フランドルのポリフォニーからJ. S. バッハへ
と、
グレゴリオ聖歌→フランドルのポリフォニー→バッハの声楽曲
という流れのお話をしました。
今回は、記譜法の変遷という観点からこの流れを跡付
第11回 旋法とは(その2)
旋法の情緒的意味
各旋法は、その音域や、音階の中にある半音の位置、フィナリスとドミナントとの音程関係などから、それぞれ独特の雰囲気を持っています。以下は旋法を、ドミナントの低い方から順に並べたものです。
一番低い第2旋法の低さと第7旋法の高さはかなり際立った特徴という
第10回 旋法とは(その1)
旋法の仕組み
上述のように、旋法ははじめグレゴリオ聖歌のレパートリーをいくつかのカテゴリーに分類するために生まれました。ではなぜこのような分類が必要だったのでしょうか。
それはアンティフォナというグレゴリオ聖歌の形式によるところが大きいようです。
アンティフォナは詩編唱を挟
J. S. バッハ 名言・迷言集
真面目な話題がずいぶん続いたので、ここらでちょっと軽い話題を挟もうと思います。
ときどきこのような形で、コラムを挟んでいこうと思いますので、ぜひ気軽に読んでください。
この度はJ. S. バッハ 名言・迷言集と題しまして、私の独断と偏見によって、バッハの言ったとされる言葉を(
第9回 歌い手にとっての音律(その4)「純正調」
純正調と純正律
最後は音律とはちょっと異なった概念「純正調」についてです。これと似た概念に「純正律」というものがありますが、こちらは音律といって差し支えないと思います。
音律というのは、第6回 歌い手にとっての音律 (その1)でも書いた通り、「音楽に使用される音高の相対的関係
第8回 歌い手にとっての音律(その3)「不等分音律」
今回は少し時代が下って、バロック時代中期以降に用いられた様々な調律法を紹介したいと思います。これらの音律は、使われる調性の拡大にともなって、それに対応するように考えられたものです。ピタゴラス音律やミーントーンと違って、5度を同じ幅に取らないので、不等分音律といわれています。
い
第7回 歌い手にとっての音律(その2)「ミーントーン」
ミーントーン(アロンのミーントーン/中全音律)
前回のピタゴラス音律に続いて、今回はミーントーンのお話です。
ピタゴラス音律が使われていた時代、ヨーロッパ大陸の音楽家にとっては、長3度は不協和な音と捉えられていたというお話を前回致しました。しかしイギリス人にとっては、かな
第6回 歌い手にとっての音律(その1)「ピタゴラス音律」
音律というのは、ブリタニカ国際大百科事典によると「音楽に使用される音高の相対的関係を音響物理的に規定したもの」ということになるのだそうですが、要はオクターブの中にある12の音を、どこにどうやって配置するか、ということです。
まず私たちにとって1番身近な音律である12平均律を考え