新型コロナウィルス感染拡大を受けて〜Salicus Kammerchorの取り組み〜
中間報告ですが、これまでのSalicus Kammerchorの取り組みについてまとめたいと思います。
1.第6回定期演奏会、第9回WSの延期決定
第6回定期演奏会は5月16・22日に開催予定でした。メンバーの安全が確保できないということ、また4月7日の緊急事態宣言を受け、様々な事情でリハーサルが行えなくなったこともあり、4月9日に延期を決定いたしました。延期時期は来年5月を予定しています。
また5月2日に開催予定であった第9回ワークショップも延期を決定し、こちらは10月17日に延期することとしました。
2.寄付金募集
4月7日の時点で、2月中旬から約2ヶ月間多くの音楽家の収入は断たれており、補償もどのくらい、いつ得られるか見通しが立たないということを鑑み、寄付金を募ることといたしました。
この寄付金はSalicus Kammerchorという団体に対するものではなく、これまでSalicus Kammerchorを支えてくれた演奏家に対するものです。
演奏家個人で寄付金を集めるということはかなり難しく、現実的でないことから、Salicus Kammerchorが仲介して、メンバーに送金するという形をとりました。
4月末を第1次締め切りとし、1,466,000円もの寄付金が集まりました。ご支援くださいました皆様、誠にありがとうございます。ここからPaypal手数料、メンバーへの振込手数料を引いた全額をメンバーに公平に振り分け、只今送金準備中です。
募集は継続していますので余裕のある方はどうかご協力ください
3.モテットマイナスワン音源発売
プロの音楽家は収入を断たれ、廃業待ったなしの状況ですが、アマチュア音楽家の方も活動の場を失いました。
音楽文化を支えているのは日本においては、音楽ファンであり、アマチュア音楽家の方々です。なんとか今私たちが持っているものを使って貢献できることはないかと考え、昨年リリースしたJ. S. バッハのモテット集CDの音源を使用して、「モテットカラオケ」とも言える、マイナスワン音源を発売することとしました。
販売しているCDの素材を使用したカラオケということで、これまで私自身も考えもしなかったことでしたが、なんとかして音楽文化を支えるモチベーションを得ていただきたいという思いから、この前代未聞のカラオケを制作しました。
カラオケ用に録音した素材ではないので、うまくマイナスワンになっていないパートもあるのが心苦しいところですが、充分カラオケとしてお楽しみいただけるものになったと思っています。
4.シュッツのテレワークモテット動画公開
延期の連絡をメンバーにした際、有志でテレワーク動画を作らないかということを提案しました。
ありがたいことにメンバー全員の賛同を得て、動画制作に入りました。
曲は第6回定期演奏会で演奏予定であったHeinrich SchützのモテットVerba mea auribus percipeです。内容と、この環境でも制作しやすい曲を選曲しました。
メンバーに櫻井が制作した多重録音の音源を送り、その音源に合わせて演奏したものを動画に撮ってもらいました。
これを集め、14人分の動画からまずは音声のみを書き出し、編集しました。できた音源に合わせる形で動画を編集し、冒頭にコメント、末尾にはメンバーひとりひとりのカットを付け加えました。
何しろ1回も練習していないのですが、私が最初に制作した多重録音から私の想像以上にメンバーがいろいろ汲み取ってくれて、素晴らしい演奏になったと思います。
5.Smart Accompanistへの参加
アマチュア古楽演奏家の方にお誘いいただき、Smart AccompanistというサービスにEnsemble Salicusとして参加させていただきました。
マイナスワン音源ということでモテットカラオケの方とコンセプトを共有していますが、こちらは動画付きで、またこのために録音、編集したので、完全にマイナスワンになっています。
5月1日に公開を開始し、現在PalestrinaのモテットSicut cervusの第1部と第2部を公開しており、今後も制作、リリースを予定しています。
6.第1回 "Remote" Ensemble Salicus Live 〈転んでもただでは起きない者たち〉
ここまでは既に実施したことですが、ここからは未来のことです。今、音楽ファンの方々は演奏会に行くことができません。そこで演奏会の代替となるような事はできないかと考え、Ensemble Salicusで遠隔でライブ配信をしようということになりました。
日付は第6回定期演奏会を行う予定であった5月22日、時刻は20−21時を予定しています。
遠隔なのでその場で演奏をするということはできませんが、事前に多重録音したものを流しながら、曲目解説を含む4人での座談会のような形式で、トーク&ライブを行います。
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7.バーチャルクワイヤ〈Ensemble Salicusと歌う40声のモテット〉
Ensemble Salicusの4人で一人10声ずつを担当し、Thomas Tallisの40声のモテット"Spem in alium"を多重録音します。
そして参加費をいただいてアマチュアの歌い手の方を募集し、それぞれ1声ずつ担当していただき、これも多重録音して1つの作品として完成させ、Youtubeに公開します。
制作期間中お一人1回30分のリモートレッスンを希望者は受講できることとし、制作に関わる質疑応答は期間中無制限にできるものとします。
詳細はこちら↓
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